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コラム

2020.09.07

憧れの和装結婚式について。押さえておきたい衣装や髪型も紹介

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和装結婚式とは、白無垢や色打掛といった日本伝統の衣装に身を包んで挙げる結婚式のことです。近年では、ヘアスタイルなどを洋風にアレンジした「新和装」と呼べるジャンルも登場し、和装結婚式を自由に楽しむカップルも多いようです。本記事では、和装のバリエーションやヘアアレンジ、さらには小物や和装ならではの所作まで紹介します。

結婚式で着る和装のバリエーション

綿帽子を被った女性
一口に「和装」と言っても、その種類はさまざまです。和装結婚式ではどのような衣装を着用するのでしょうか。ここでは、新婦が着用する主な和装の花嫁衣裳の種類を紹介します。

格調高い「白無垢(しろむく)」

白無垢姿の花嫁
花嫁が着用する和装のうち、最も格が高いとされるのが「白無垢」です。花嫁は小物から着物まで全て白色で統一します。神前挙式の花嫁衣装以外ではほとんど見られないため、花嫁の和装の定番と言えるでしょう。

「白」を纏う理由は、白色が結婚という神聖な儀式にふさわしいためとされています。また、白を纏って嫁入りすることで「嫁ぎ先の色に染まります」という意味もあるのだとか。

白無垢は、内側に「掛下(かけした)」、外側に「打掛(うちかけ)」を着用します。また、頭には白い綿帽子や角隠しを被るのが一般的なスタイルです。

華やかな「色打掛(いろうちかけ)」

色打掛を着ている女性
外側に色の付いた打掛を纏うスタイルが「色打掛」です。かつては白無垢より「格が落ちる」などとされましたが、現在では白無垢と同格の正装として扱われています。

色打掛の特徴は、何と言ってもその華やかさでしょう。赤色や金色などの地に、凝った刺繍が入っていたり、華やかな柄が描かれていたりします。近年は色付きの掛下と合わせて、おしゃれにコーディネートする花嫁も多く、多彩なアレンジが楽しめるとして人気です。

和装結婚式では、神前式に白無垢を纏い、披露宴のお色直しで色打掛を着用する花嫁も多いようです。白から華やかな色の着物に着替えることは「真っ白になって嫁ぎ先の色に生まれ変わる」という意味があるとも。

打掛の色を決めるときには、色の意味なども考慮して選ぶのがおすすめです。

凛とした印象の「引き振袖(ひきふりそで)」

丈の長い着物を調整せずに着用するのが「引き振袖」。振袖の中では最も格式が高いとされ、「お引きずり」「大振袖」「本振袖」とも呼ばれます。

裾が地面につくほど長いため立ち姿が美しく、着用すると優美で女性らしい印象となります。

神前式では、引き振袖に「角隠し」を被るのが正式なスタイルです。しかし近年は、洋髪でおしゃれに見せる花嫁も増えています。

また、地の色が黒の引き振袖は「黒引き振袖」とよばれ、かつては定番の花嫁衣裳として親しまれていました。黒は「今後はあなたの色以外には染まりません」という誓いを示す色とされるため、結婚式にはぴったりと言えるでしょう。

新しいスタイルの和装も

近年では、伝統的な和装に洋風のテイストを加えた衣装も。一般的な和装には用いられないオーガンジー生地やチュール生地が使用されている他、現代風のデザインの衣装も登場しています。

新しいスタイルの和装は、「アレンジを楽しみたい」「和装も良いけれど洋装にも憧れる」という花嫁に人気です。

ただし、格式高い神社や式場で式を挙げる場合、斬新すぎると敬遠される恐れもあります。和のテイストを崩し過ぎないよう注意しましょう。

和装結婚式でおすすめのヘアスタイル

文金高島田に結い上げた女性
和装結婚式では、どのようなヘアスタイルが一般的なのでしょうか。ここでは、和装にぴったりなヘアスタイルを紹介します。

和装の定番「文金高島田(ぶんきんたかしまだ)」

文金高島田に結った花嫁の後ろ姿
白無垢のときは「文金高島田」に結うのが一般的です。髷(まげ)を高く結ってかんざしをさしたヘアスタイルは、花嫁を上品かつ華やかに見せてくれます。

本来は地毛で結う習わしですが、近年は「全かつら」でヘアスタイルを作る人がほとんど。地毛を生かしたい場合は「半かつら」もあるので、担当者と相談してみると良いでしょう。

文金高島田に結った場合は、絹製の白い帽子「綿帽子」や頭部を白い絹で覆う「角隠し」と合わせるのが一般的です。

華やかなかんざしや髷のスタイルを見せたい人には、露出の多い角隠しをおすすめします。

自分らしくアレンジしやすい「新日本髪」

色打掛を着た女性
「日本髪にしたいけれどかつらは避けたい」「自由に和装のヘアヘアアレンジを楽しみたい」という花嫁に人気なのが、「新日本髪」です。

すべて自分の髪で結い上げるため、かつらを使ったときに覚える違和感がありません。厳密なルールもないため、生花を飾ったり好きな小物を使ったりと、和装のヘアスタイルを自由に楽しめるでしょう。

和モダンな雰囲気が魅力の「洋髪」

近年は、和装に洋風のヘアアレンジを合わせるスタイルも人気です。新日本髪と同様に決まったルールはなく、自由な発想でヘアスタイルを決められます。

編み込みヘアや洋風のアップスタイルなど、髪の長さなどによりバリエーションも豊富。小物も生花や造花、ヘッドドレスと多彩なので自分に合うヘアスタイルが見つかるでしょう。

「和装をほどよくカジュアルにしたい」「和風のヘアスタイルは似合わない気がする」という花嫁にもぴったりです。

結婚式で和装に合わせる小物や装飾品

番傘をさす女性
和装では、小物選びも重要なポイントです。なりたいイメージに合わせて、ふさわしい小物を選びましょう。

覚えておきたい和装の基本小物9種

和装のときは、次の9つの小物を使用するのが一般的です。

・箱迫(はこせこ):胸の合わせに差し込む箱形の装飾品。房と刺繍が付いている。
・抱え帯(かかえおび):帯の下部に結わえる細い帯。裾の長さを調節する。
・末広(すえひろ):扇子。
・帯揚げ(おびあげ):帯枕(おびまくら)を包む布。帯の上端に収めて飾る。
・帯締め(おびじめ):帯を固定するための装飾品。
・懐剣(かいけん):護身用の剣。帯の左側にさす装飾品。
・伊達衿(だてえり):見える部分にだけ重ねる襟。重ね着しているように見せる。
・半衿(はんえり):長襦袢に縫い付ける襟。汚れ防止の役割がある。
・掛下(かけした):打掛の中に着る着物。

伝統的な和装は、身に着けるものがたくさんあります。統一感のある仕上がりにするために、色選びは慎重に行いましょう。

小物次第で和装のアレンジは広がる

白無垢を着用するとき、色小物を選んでアクセントにする花嫁も増えています。

例えば、和装小物をすべて「赤」「ピンク」などの「暖色系」でそろえると、華やかな印象になります。顔周りが明るくなり、記念写真もよく映えるでしょう。

一方、「青」「紫」などの寒色系は、涼しげで清楚な印象になります。濃い色を選べば大人っぽく上品な花嫁になれるでしょう。

好みの色やデザインを見つけて、自由にアレンジを楽しんでみてはいかがでしょうか。

ブライダルネイルやブーケでモダンに

和装を自分達らしく楽しむなら、しきたりにこだわりすぎる必要はありません。新郎と話し合い、ふたりにふさわしい小物を選んでみてはいかがでしょうか。

気軽に取り入れられるものとしては、ブライダルネイルやブーケ、ヘッドアクセサリーなどがおすすめ。

ただし来賓の目が気になる場合は、大胆なアレンジは前撮りや後撮りのみとするのが良いかもしれません。結婚式本番は洋装でまとめて、フォトでは自由な和装スタイルを楽しむのも、良い思い出になるでしょう。

和装結婚式で気を付けたい所作

しめ縄の下で並ぶ男女
和装に慣れていない場合に注意したいのが、所作です。洋装のときのようにラフに動くと着物が着崩れてしまう恐れがあります。和装結婚式ではどのように振る舞えば良いのでしょうか。

背筋をピンと伸ばす

1つ目のポイントは、背筋をまっすぐに伸ばすことです。

着物は帯で腹部を締め付けられるため、気を抜くと体が前に倒れがちになります。和装はとくに姿勢の良し悪しが目立ちやすいので、注意が必要です。

和装のときは座るときも立つときも胸を張り、背筋をピンと伸ばしましょう。「頭から足先まで一本の芯が通っている」とイメージすると、きれいな姿勢を保ちやすくなります。

歩き方や座り方に気を配る

次のポイントは、和装らしい歩き方や座り方を心がけることです。洋装と同様に歩いたり座ったりすると、着物の裾や帯が乱れやすくなります。

和装は「おしとやかな動作」が基本です。「歩幅は小さく」「腰掛けるときは浅め」など、一つ一つの動きに気を配りましょう。

伝統を守りながらも自分らしい和装結婚式を

白無垢を着た女性
日本人としての伝統やルーツを感じられる和装は、結婚式にふさわしい衣装と言えます。着慣れていないとハードルが高いと感じるかもしれませんが、基本的な知識さえ身に付けておけば心配はいりません。

結婚式は、一生に一度の晴れ舞台。好きな和装に身を包み、ふたりらしい結婚式を迎えてくださいね。

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