「先負」とは?読み方・縁起の良い時間帯・入籍日にするメリットとデメリット
先負とは、日の吉凶を表す六曜のひとつ。「負」の字が入っているため縁起が悪いと思われがちですが、午後からは吉です。午前を避ければ、入籍やお祝いごとを行っても良いとされています。本記事では、先負の意味や縁起の良し悪し、入籍日にするメリットとデメリットなどを紹介します。
先負とはどんな日?意味と読み方
先負とは、カレンダーの端に書かれている、日の吉凶を表した六曜のひとつです。「先んずれば負ける」という意味があり、慌てたり急いだりせず、穏やかな心で過ごすのが吉。「負」が使われているため、勝負事には向かないと言われています。読み方は「せんぶ」が一般的ですが、「せんまけ」「さきまけ」「せんぷ」と読まれる場合もあります。
「先負は縁起が悪い」のイメージは誤り
先負は縁起が悪いと思われがちですが、時間帯によっては吉日と言えます。縁起の良い時間帯と悪い時間帯を解説します。
縁起の良い時間帯は午後から。午前は注意
先負の「先」は午前中を指していて、「午前は凶だが午後は吉」と解釈されています。縁起を考慮したいときは、昼の12時以降から行動し始めましょう。
とはいえ縁起の程度は午後でも小吉とされていて、大きく運気が良くなるわけではありません。入籍やお祝いごとをしても問題はありませんが、ゆったりと穏やかに過ごすのが理想です。特別縁起が良いときに行いたいことがある場合は、「大安」や「友引」の日を検討するのも良いでしょう。
昔は吉日のひとつだった
14世紀ごろ、六曜発祥の地である中国では、先負は凶の時間がない「小吉」「周吉」と呼ばれる吉日でした。しかし、時代の流れとともに「先負」へと呼び名が変わります。「負」の字が入ったため吉日のイメージが薄れていき、現在のような解釈になりました。
先負にやっても問題ないこと・避けた方が良いこと
「仏滅」の慶事は避けるという考え方があるように、先負にも適さないとされる行動があります。やっても問題ないことと、避けた方が良いことを見ていきましょう。
先負にやっても問題ないこと
先負はとても縁起の悪い日ではないため、以下の予定を入れても問題ありません。なるべく縁起を気にしたいときは午後から行動しましょう。
先負には避けた方が良いこと
縁起を気にするのであれば、先負にお金にまつわる行動をするのは避けた方が良いでしょう。試合や契約、宝くじの購入など、勝負と言えるような行事には向かないとされています。この日は勝負心を忘れて、穏やかに過ごしてみてください。
「先負」に入籍するメリット・デメリット
「六曜を気にしない」「大安や友引ほどの吉日ではなくても良い」という人にとって、先負の入籍はメリットがあります。しかし、親族の考え方によっては反対される可能性も。先負に入籍するメリットとデメリットを紹介するので、チェックしてから検討してみてください。
メリット:入籍手続きや式の予約がスムーズ
先負に入籍すると、スムーズに役所の手続きができる可能性が高いというメリットがあります。これは、「負」の字から凶をイメージし、本来の意味を知らない人が多いためです。実際は悪い日ではありませんが、大安や友引よりも役所の窓口が混み合いにくくなっています。混み合うのを避けたい場合や、時間に余裕を持って手続きをしたい人におすすめの日です。
結婚式を先負に行う場合にも、同じようなメリットがあります。大安や友引は人気で、式場を押さえるのが難しいもの。しかし、先負は比較的式場を押さえやすく、希望の日程を選べる可能性が高くなります。また、吉日は需要が高く料金が割高になりがちですが、先負は安い日を選びやすいといった魅力があります。
デメリット:親族の説得が必要な場合がある
六曜を大切にしている親族がいれば、先負に入籍することを説得しなければならないかもしれません。一生を誓う大切な日なので、「幸先が良くなるように大安や友引が良いのではないか」と心配する人もいます。結婚は両家がつながる節目、つまり親族にも関係する行事なので、六曜を重要視する親族とはきちんと話し合っておきましょう。
先負の意味を正しく理解できていない親族がいたら、その誤解を解く必要があります。入籍は先負に行い、結婚の挨拶や結婚式の日取りを吉日にするなど、お互いが納得できる方法を探すのも大切です。
入籍や式の日取りで目安にされる六曜とは
縁起の良し悪しを判断するために参考にされる六曜。カレンダーや手帳などに記載されている点からも、日本で深く浸透していることがわかります。最後は、六曜にどのような意味があるのかを解説します。
六曜の意味と法則
六曜とは、1週間を6つの日に振り分けて吉凶を占う暦注(れきちゅう)を指します。中国から伝わった当初は1日の時間を6分割し、吉凶を当てはめて時間を占うものでした。しかし年月を経て、現在のような日を占うものへと変わっていきました。
六曜は基本的に、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の順番で巡ってきます。ただし、旧暦で1日に該当する日は六曜が決まっているため、順序が不規則になる場合があります。
- 1月・7月1日:「先勝」
- 2月・8月1日:「友引」
- 3月・9月1日:「先負」
- 4月・10月1日:「仏滅」
- 5月・11月1日:「大安」
- 6月・12月1日:「赤口」
日本では冠婚葬祭の日取りで重視されることが多い
日本では、日取りを決定する上で六曜を参考にする慣習が深く浸透しています。年配の人は特に、六曜を無視して冠婚葬祭の日取りを決めるケースはあまり見られません。若い世代のなかには気にしない人も増えていますが、冠婚葬祭の日程は、六曜を大切にする親族の意見を汲んで考えるのが一般的です。
発祥の地の中国ではもう使われていない
日本では六曜が深く浸透しているものの、発祥の地である中国ではほとんど使われていません。若い世代は特になじみがなく、存在すら知らない人もいます。
日本でも六曜が使われなくなった時代があります。六曜が日本に伝わったのは鎌倉時代で、江戸時代末期に流行したと言われています。しかし、明治時代の政策で暦注の使用が禁止され、一度はカレンダーから六曜がなくなりました。そして第二次大戦以降、規制が解かれると再び広く浸透。時代とともに意味合いが変化しつつも、現在も深く根付いています。
先負の入籍は午後からがおすすめ
先負の入籍は、午後であれば吉凶における問題はありません。とはいえ、入籍はふたりだけの行事ではないのも事実です。親族に六曜を重視する人がいる場合は、先負の意味やメリットを親族に説明し、理解を得てから入籍へと準備を進めましょう。