「結婚」「入籍」「婚姻」「婚約」の意味の違い
結婚に近い意味を持つ言葉として、入籍の他にも婚姻、婚約などがあります。まずは、それぞれの言葉の意味の違いを正確に押さえておきましょう。
結婚とは
結婚とは、夫婦になることを意味します。ここでのポイントは、婚姻届を提出しない結婚のスタイルもあるということ。
近年、夫婦のあり方は多様化しています。後に解説する婚姻(婚姻届を提出して、法律上夫婦と認められること)としての結婚の他、婚姻届を出さない事実婚として共同生活を営む夫婦も、社会的に「結婚している」と認められます。
入籍とは
本来、入籍というのはあらかじめ存在する戸籍に入ることを意味します。一方、婚姻における戸籍の手続きでは、それまで双方が入っていた親の戸籍を抜け(除籍する)、新しく夫婦ふたりの戸籍が作ります。そのため、本来の意味においては「結婚=入籍」ではないため、婚姻届を出して「入籍しました」と言うのは戸籍法上では間違いです。
ただし、例外として「結婚=入籍」になるケースも存在します。離婚経験がある人や、既に親の戸籍から抜けている人と婚姻関係を結ぶ場合は、既にその人が筆頭の戸籍が存在するため、新たに戸籍を作るのではなく、配偶者が戸籍に入ることがあります。
婚姻とは
一般的に夫婦になることを結婚と呼びますが、民法上での結婚は婚姻と呼ばれており、役所に出す書類にも結婚届ではなく婚姻届という名がついています。民法の上での婚姻(=結婚)とは、役所に婚姻届を提出し、1組の夫婦として承認されることを意味します。
なお、日本では明治時代に施行された民法により、夫婦で同じ姓を共有することが100年以上続いてきました。しかし、家族形態やライフスタイル、国民の意識の変化を考慮し、選択的夫婦別氏制度の導入の検討を進める「第4次男女共同参画基本計画」が平成27年12月に閣議決定されています。
婚約とは
結婚の前段階の話になりますが、婚約の正しい意味も押さえておきましょう。
婚約とは、将来を誓った男女が結婚の約束をすることです。結婚(婚姻)とは異なり、役所に書類を提出するなどの手続きはなく、口約束でも成立します。婚約している状態を周りに知らせる目的や、婚約の証として両家で結納を行ったり、婚約指輪を交換したりします。
従来、婚約指輪は男性から女性へ贈るものとされていましたが、最近では男性も指輪をファッションとして楽しむようになったため、女性から男性に婚約指輪を送るケースも増えつつあるようです。
なぜ「結婚=入籍」と言われるようになったのか
このように、結婚と入籍は本来、違う意味を持つ言葉です。それなのに、なぜ結婚することを「入籍する」と言うようになったのでしょう。
その理由は諸説あるものの、昔の家父長制度の名残で、女性は結婚すると男性の家(戸籍)に入ることが一般的だったためとも言われています。また、芸能人の結婚報告でも「この度、〇〇さんと入籍いたしました」という言い回しがよく使われるようになったため、「結婚=入籍」というイメージが浸透したのかもしれません。
「結婚しました」「入籍しました」のどちらで報告するのが良い?
先述した通り、婚姻届を出して結婚することを入籍と呼ぶのは厳密には正しくありません。とはいえ、現代の日本では「結婚=入籍」で意味が通じるため、「入籍しました」と伝えても問題ないと言えます。「結婚しました」「入籍しました」「婚姻届を提出しました」「夫婦になりました」などの言葉のなかから、自分が言いやすい言葉を選んで伝えると良いでしょう。
結婚報告をすべき相手や伝える内容について
「いつ」「誰に」結婚報告をすれば良いかというのも、意外と迷ってしまうものです。親や上司、親族、友人と相手ごとに伝え方のポイントを解説します。
親|お互いの親への挨拶で報告する
結婚することを決めたら、お互いの親への挨拶などの場で早めに報告しましょう。ふたりの結婚の意志を一方的に伝えるのではなく、親の了承を得る形で報告するのがポイントです。また、急な来訪にならないように、2週間前くらいを目安に日程を組んでおくと丁寧な印象を与えられます。
会社関係|結婚が決まった時点で報告する
結婚にともない、勤務先では福利厚生や公的な書類の手続きなどが発生します。結婚が決まったタイミングで、なるべく早めに報告するのが望ましいです。なお、直属の上司、(上司の指示があれば)上長、先輩、同僚、後輩の順に伝えるのが一般的です。
上司に直接「少しお時間頂けますか?」と切り出し、「この度結婚することになりまして…」と続ければ、自然な雰囲気で伝えられます。また、上司は結婚後の勤務継続や異動などについても把握しておかなければならないため、希望があれば自分から伝えましょう。
親族|親に相談してから報告する
親族への結婚報告は親が行うのが一般的ですが、個人的に親しくしている親族ならば直接報告しても構いません。近いうちに親戚に会う機会があるのなら、直接伝えるのも良いでしょう。遠方の親戚であれば、電話での報告でも問題ありません。
友人|結婚式に招待したい場合は早めに報告する
特に親しい友人の場合、プロポーズを受けた段階で報告することもありますが、結婚式の日取りが決まった後に、招待を兼ねて結婚報告する人も多いようです。結婚式に招待したい相手には、予定を空けておいてもらうためにも式の数カ月前には報告しておきましょう。大切な報告なので、食事に誘うなどしてできる限り直接会って報告するのがおすすめ。難しい場合はSNSなどで一斉にお知らせするよりも、個別に連絡を取る方が丁寧です。
結婚までの流れ
結婚までどういった流れで準備を進めていくのかを知っておくと、実際に行動する際にスムーズです。親への挨拶から婚姻届の提出、結婚式までの主な流れを紹介します。
1. 親への挨拶を行う
ふたりの結婚の意志が固まったら、まずはお互いの親へ挨拶します。初めて顔を合わせる場合は、事前に親の性格や趣味などを共有しておくと、当日会話が弾みやすいです。手土産は日持ちするお菓子やお酒、自分の地元の名産などを準備しておくと喜ばれます。
また、当日は結婚式を挙げるかどうかや、今後の住まいなどを親に尋ねられる可能性があります。事前にふたりの希望をすり合わせし、お互いの親に伝えられるようにしておきましょう。
2. 両家顔合わせを行う
お互いの親から結婚の了承を得たら、結納や食事会などで両家の顔合わせをします。食事をしながら親睦を深めるとともに、結婚式を行う場合は場所や日程、婚姻届を提出するタイミング、新生活についてなども話し合います。
婚約指輪や結婚記念品を準備するのなら、この場でお披露目するのが一般的です。また、両家の親に婚姻届の証人のサインをしてもらう場合は、事前に印鑑の持参をお願いしておくと良いでしょう。
3. 結婚式の準備をする
結婚式を挙げる場合は、親への挨拶や両家顔合わせが済んだタイミングで準備に取りかかると、親の意向なども取り入れやすいです。式場の下見やブライダルフェアを通して式場を決定し、結婚式に向けて具体的な準備を進めていきます。
結婚指輪の準備もあわせて行いましょう。サイズ直しや刻印などがある場合は手元に届くまで時間を要するため、結婚式の2~3カ月前までには購入しておくと安心です。
4. 婚姻届の提出・結婚式を挙げる
婚姻届の提出と結婚式のタイミングは、どちらが先でも問題ありません。「結婚式の後に来る記念日に婚姻届を出したい」「授かり婚だから早めに婚姻届を出したい」「婚姻届の提出と結婚式を同日にしたい」など、カップルによってさまざまなケースがあります。ふたりで相談するとともに、親の意向も汲みながらどちらを先にするか決めましょう。
婚姻届の提出前に準備したいこと
婚姻届を提出するには、夫婦ふたりの戸籍謄本や証人の署名など、準備に時間や手間がかかるものが必要となります。スムーズに婚姻届を提出できるよう、準備方法や必要書類などをチェックしておきましょう。
ふたりにとって記念となる日を選ぶ
婚姻届を出す日をいつにするか決めておきましょう。婚姻届を提出した日を結婚記念日とするカップルも多いため、ふたりにとって記念すべき日を選んでみてください。例えば、お付き合いを始めた日やプロポーズの日、どちらかの誕生日や記念日など、覚えやすい日にするのがおすすめです。
婚姻届を準備する
婚姻届は、役所の窓口で「婚姻届をください」と言えば、すぐに受け取ることができます。記載事項は全国共通であるため、どこの自治体の役所のものでも使用可能です。
また、最近では結婚情報誌の付録としてオリジナルの婚姻届がついていたり、パソコンでダウンロードして使える「ご当地婚姻届」などがあったりと、デザイン性の高い婚姻届も豊富にあります。ふたりで相談しながら、お気に入りのデザインの婚姻届を探してみるのも楽しいかもしれませんね。
婚姻届の提出に必要なものを揃える
婚姻届は署名捺印をするとともに、必要書類とともに提出します。下記のものを揃えておきましょう。
<婚姻届>
役所に取りに行く場合は、念のため予備も含めて2枚もらっておくと安心です。
<本人確認書類>
運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどを準備します。書類の種類によっては、2点以上の提示が必要となる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
<ペン>
こすって消えるタイプのペンや鉛筆は使えません。必ずボールペンや万年筆を準備しましょう。
<ふたりの戸籍謄本>
本籍地と異なる役所に婚姻届を提出する場合は戸籍謄本の提出が必須となります。スケジュールに余裕を持って本籍地の役所へ申請し、取り寄せておきましょう。
<印鑑>
夫婦ふたりの印鑑が必要です。それぞれの姓の印鑑を持参しましょう。なお、スタンプ印やゴム印は不可となるので注意してください。
<証人(2名)>
証人2名の署名と捺印が必要です。20歳以上の方なら誰でも証人になれるので、親や仲人、友人など、身近な人にお願いしましょう。
フェスタリアおすすめの結婚指輪
結婚の証として身に着ける結婚指輪。日常的に身に着けるものなので、こだわって選んでみてください。また、結婚式を挙げる場合は式に間に合うように早めに準備しておきましょう。最後に、フェスタリアおすすめの結婚指輪を紹介します。
シンプルなストレートラインの結婚指輪
フェスタリアのAnnulus Vita アニュラス ヴィータ
左:¥121,000(税込)
右:¥143,000(税込)
※商品価格は予告なく変更する場合がございます。
「星の軌道」をイメージしたラインが入ったストレートラインの結婚指輪。左の指輪には、つやを抑えたマットな風合いのライン、右の指輪にはダイヤモンドの輝きが紡ぐ美しいラインが入っています。「星の軌道」はふたりが歩む道、そして時を超えてつながるふたりの愛を表しています。
やわらかなU字ラインの結婚指輪
フェスタリアのSourire スリール
左:¥110,000(税込)
右:¥132,000(税込)
※商品価格は予告なく変更する場合がございます。
「微笑んだ口元」 をイメージしたやわらかなU字ラインの結婚指輪。ふたりが紡ぐ時が豊かな「微笑み」で満たされるようにと願いが込められたデザインです。左の指輪にはつや消し加工を施したヘアラインが入っており、右の指輪にはダイヤモンドをセッティングしています。シンプルながらもアクセントのあるデザインが指元を美しく彩ります。
エレガントなS字ラインの結婚指輪
フェスタリアのInfinity Star インフィニティスター
左:¥143,000(税込)
右:¥154,000(税込)
※商品価格は予告なく変更する場合がございます。
薬指の傾斜に沿うようにデザインされたS字ラインの結婚指輪。「無限=∞」を表す「インフィニティ」をイメージしたデザインです。すっきりとした幅のアームで着け心地が良く、指輪を着け慣れていない人も身に着けやすいでしょう。
右の指輪の中央では、大小ふたつの星がカットの中に映し出される “Wish upon a star®” ダイヤモンドが美しい輝きを放ちます。また、日常的に身に着ける指輪だからこそ、ダイヤモンドは引っ掛かりのないセッティングに仕上げています。
結婚と入籍の違いを知り、スムーズに準備を進めていきましょう
厳密には「結婚しました」が正しい結婚報告の表現ですが、「入籍しました」の方が言いやすいと感じるのなら、そちらで伝えても構いません。結婚、入籍、婚姻、婚約の違いや、婚姻届の出し方、結婚報告の仕方など、ここで紹介した内容をぜひパートナーにも教えてあげてください。ふたりで知識を深め、スムーズに結婚までの準備を進めていきましょう。