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コラム

2023.02.21

ラピスラズリには誕生月が2つ?気になる石言葉や瑠璃色ジュエリーを紹介

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ラピスラズリは、紀元前から世界中で珍重されている、美しい青色をした宝石です。さまざまな鉱物の集合体で成り立つ表情豊かな宝石は、和名を「瑠璃」と言い、「聖なる宝石」とも呼ばれています。この記事では、9月と12月の誕生石としても知られているラピスラズリの歴史や産出地、石言葉やお手入れ方法について解説します。

「聖なる石」ラピスラズリとは

アフガニスタンのバダクシャン州で採掘されたラピスラズリ
和名を「瑠璃」と呼び、珊瑚と同じように日本人に親しまれてきた宝石ラピスラズリ。青色の綺麗な輝きは、紀元前から聖なる石として崇められてきた風格を感じさせます。

ラピスラズリの由来・産地

ラピスラズリの名前は、石を意味するラテン語のLapisと、青や空、天を意味するペルシア語でLazhward(アラビア語でlazward)が組み合わさって作られた混成語です。和名で瑠璃(るり)と呼ばれています。古代ギリシャからローマ時代にかけてサファイアと呼ばれていた宝石は、実際はラピスラズリであったとも。中世ヨーロッパになると、ラピスラズリの名前が世間で広く知れ渡るようになりました。
アフガニスタンとチリ、ロシアは、現在ラピスラズリが多く採れる世界の3大産地。とくにアフガニスタンは世界一の産出量を誇り、どの部分をとってもムラのない高品質のラピスラズリが採れるサリ・サング鉱山があることで有名です。また、少量ではありますが、北米やカナダでも採掘されています。
チリ産のラピスラズリには金箔をまぶしたようなパイライトが散っていて、収集家に人気があります。一方、ロシア産は、アフガニスタン産と比較すると色が暗めで、パイライトを含まないラピスラズリが多いです。

ラピスラズリの歴史

ラピスラズリは紀元前から人とかかわる石でした。神聖な青色の石として世界各地で大切に扱われていたのです。愛と美の女神アフロディーテとも関係が深く、古代ローマにおいては、カップルの守護石として崇められました。
バビロニアやエジプトではラピスラズリを砕いた粉を顔料にして壁画を描き、魔除けのお札にしていたとか。とくにエジプトでは、黄金と肩を並べるほどの価値があり、ツタンカーメンの黄金マスクにも使われていました。
その後、ラピスラズリは海を越え日本にも運ばれるようになり、仏教において貴重な七宝の1つである瑠璃として多くの日本人から大切にされてきたのです。
また、1984年のアフガニスタンの内戦では、政府がラピスラズリを大量に西側諸国へ売却したことで過剰供給となり、以後、市場で安価に売られるようになりました。

ラピスラズリの石言葉

ラピスラズリの石言葉は、「成功の保証」「真実」「健康」「幸運」です。干支では戌年、星座では牡牛座や射手座、水瓶座の守護石。幸運を運び、知恵を授ける石です。
ラピスラズリは、日本ジュエリー協会では12月の誕生石と定められていますが、海外では9月と定めているところが多い傾向があります。そのため、12月・9月どちらの誕生石としても親しまれています。
人生の岐路に立った時、どの方向へ進めば良いのか迷った時は、ラピスラズリを身に着けると正しい道へ導いてくれるかもしれません。また、ラピスラズリを身に着けると新しいものを作り出すアイディアが思い浮かんだり、勘が鋭くなったりするとも言われています。

ラピスラズリの特性

ラピスラズリはラズライトやパイライト、カルサイト、ソーダライトなどの複数の鉱物で成り立つ石です。非常に細かい結晶がまだらに入り混じってできていて、鉱物の組み合わせや配合される量により、石のニュアンスも変化します。色合いは明るい青色、ターコイズブルー、緑がかった青とさまざまで、とくに均一な濃い青色のラピスラズリが珍しく価値が高いとされています。
ラピスラズリの色は紺青色または瑠璃色で、その色を出す主成分として挙げられるのがラピスラズリに含まれるラズライトです。
宝石の硬さを示すモース硬度は5~6。ナイフで傷をつけられる硬さなので、やや傷がつきやすいと言えるでしょう。他にも、ガラスのような光沢感があるのが特徴です。

芸術家に愛されるラピスラズリ

鮮やかなウルトラマリンブルー
ここではラピスラズリを原料とした顔料、ウルトラマリンについて解説していきます。世界的な有名画家を魅了したとされるウルトラマリンとはどのようなものなのでしょうか。あわせてラピスラズリと相性の良い宝石も紹介します。

ウルトラマリンの原料

ラピスラズリは、多くの有名芸術家に愛された絵具であるウルトラマリンの原料としても使用されています。黄色が含まれた鮮やかな青色は何とも言えないほど素晴らしく、ラピスラズリだからこそ出せる色として評価されてきました。
ラピスラズリの顔料は、細かく砂のように砕いた石に、溶かしたワックスや松ヤニ、油などを混ぜて作ります。できた塊を薄い灰汁の中に入れてこねると、容器の底に沈んだ青い粒子を含む透明な顔料が出来上がります。
しかし、ウルトラマリンは希少であるため、後に合成ウルトラマリンも誕生。こちらも豊かな色彩が出せると評判です。

金よりも高価

素晴らしい色彩が出せるとして、多くの有名芸術家の心を惹きつけ夢中にしたウルトラマリンは、とても高価なものであったと言われています。
ウルトラマリンの原料であるラピスラズリは、当時はアフガニスタンでのみ採掘されていて希少な鉱石でした。船で海を渡りヨーロッパまで運ばれていたので、金より価値のある高価なものとして珍重されていたのです。そのため使用されるのは、キリストやマグダラのマリアの衣服などに、色を塗る時だけでした。
なかでもウルトラマリンは、フェルメールの名画『真珠の耳飾りの少女』で使用されていたことでも有名です。

ラピスラズリと相性の良い宝石

ラピスラズリは、幸運を運び知恵を授けると言われていて、相性の良い宝石と組み合わせるのもおすすめです。
■ラピスラズリ×アメシスト
紫水晶とも呼ばれるアメシストは、精神的な調和と安定をもたらし、人間関係を良い方向へ導いてくれる宝石と言われています。また強い邪気を祓うパワーも持つと考えられていて、ラピスラズリと組み合わせることでお互いのパワーを高めてくれるでしょう。
■ラピスラズリ×トパーズ
仕事上の利益と精神面の豊かさの両方を叶えてくれるとされるトパーズ。ラピスラズリと組み合わせることで、幸運を引き寄せ、夢を叶える手助けをしてくれるかもしれません。

ラピスラズリのお手入れ・保管方法

布の上に置いたラピスラズリ
ラピスラズリの硬度は5~6なので、水晶などに比べると傷がつきやすい繊細な宝石と言えるでしょう。しかし、慎重に取り扱い、丁寧にお手入れをすれば長く美しさを保つことができます。

普段のお手入れ

ラピスラズリの美しい青色の輝きを保つためには、普段のお手入れが大切です。お手入れする際は、やわらかく清潔な布で乾拭きしてください。
ラピスラズリのジュエリーを身に着けた後は、汗や汚れが付いているので、放置せずにすぐにお手入れをするよう気を付けましょう。狭くて拭きにくい部分は、やわらかいブラシで汚れを掻き出すようにお手入れしてみてください。
汚れが少し気になる場合は、中性洗剤を溶かしたお湯でやさしく洗うようにして、その後やわらかい布で水気を拭き取ると良いでしょう。

保管方法

ラピスラズリの保管で注意するべきポイントは3つあります。
まずは紫外線を避けることです。ラピスラズリは太陽の光に長時間さらされると変質してしまいます。そのため、直射日光に当たらないように保管してください。
ふたつめは硬度が高い石ではないため、傷がつかないようにすることです。ジュエリー同士が互いに接する状況であったり、落とす可能性が高い場所に置いたりするのは避けた方が良いでしょう。
3つめは湿気に注意することです。着用後、すぐに拭く場合は問題ありませんが、保管する際に湿気の多い場所に置くと劣化してしまう恐れがあります。
これらの点に気を付けて、大切に保管しましょう。

毎日身に着けたいラピスラズリジュエリー

天然のラピスラズリ
落ち着いた青色の輝きは、コーディネートのアクセントになります。上品な色合いなので、長く愛用でき、お守り代わりとしてあなたに寄り添うデイリージュエリーになってくれるでしょう。

シンプルなデザインのラピスラズリのネックレス

K10イエローゴールド ラピスラズリ ネックレス
K10イエローゴールド ラピスラズリ ネックレス
¥14,300(税込) 
※商品価格は予告なく変更する場合がございます。
真夜中の星空を連想させる瑠璃色のラピスラズリと、金色のイエローゴールドがエキゾチックな組み合わせのネックレス。どんなファッションにも合わせやすいシンプルなデザインは、毎日身に着けたいお守りとしてもぴったりです。同じ色や柄がふたつとしてないのも、天然石の魅力と言えるでしょう。

ラピスラズリの瑠璃色をまとって

3つの美しいラピスラズリ
古代より宝石としてだけではなく、絵画の絵具などとしても人々に親しまれてきたラピスラズリ。現代においても、眺めているだけで心が落ち着くような瑠璃色に魅せられる人は多いのではないでしょうか。ぜひ、この機会にジュエリーとして瑠璃色のラピスラズリを取り入れてみてください。

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