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コラム

2021.06.29

結婚式の「お色直し」ってなぜ行うの?回数やスムーズに進めるポイントを紹介

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お色直しとは、披露宴の途中に新郎新婦が衣装を替えて結婚式を盛り上げる演出です。お色直しでふたりの雰囲気がガラッと変わるので、「ふたりがどんな衣装で再入場するのだろう」とゲストも注目しています。今回はお色直しの意味や歴史の他、順番や回数、円滑に進めるポイントを紹介します。

日本独特の文化、お色直しと歴史

和装姿の新郎新婦
現代における結婚式のお色直しは、花嫁が衣装を替えるものといったイメージが定着しています。しかし、かつては嫁入りの習わしとして世間で浸透していました。お色直しの意味と歴史を紐解いてみましょう。

お色直しとは

お色直しとは、披露宴の途中で新郎新婦が席を離れ、違う衣装にチェンジすることです。これまでとは違うふたりが登場するシーンを楽しみにするゲストも多いでしょう。

実は、お色直しは日本の特有の文化で、海外ではあまり行われません。日本では衣装のレンタルが主流のため、衣装を何着か選んでお色直しをします。しかし、欧米では衣装は購入するか手作りすることが多く、その一着で結婚式の日を過ごすのが一般的です。

お色直しは古くから行われていた

お色直しが始まったのは、いろいろな説もありますが、室町時代からと言われています。その頃のお色直しは、白無垢(しろむく)から色打掛(いろうちかけ)に着替えることでした。昔は女性が嫁入りをする際に、3日間は白無垢を着用し、4日目に色打掛を着用するのが慣例だったのです。

お色直しをする新婦の姿が今までと違うことから、生まれ変わりを意味します。つまり「婚家に染まった」ということで、夫の家に嫁ぐのを認められていました。その慣習を簡略化したのが現代のお色直しです。また、戦前までは婚家で行う結婚のお披露目会での習わしに、お色直しが行われていたという説があります。

お色直しに着る衣装の種類

カラードレスを着た花嫁
ウエディングドレスからカラードレスへのお色直しは、新婦に人気です。一方、伝統的な和装も年々増えています。また、新郎のお色直しは、新婦に合わせるのが一般的とされています。

カラードレス

お色直しと聞いて、まず思い浮かぶのはカラードレスという人もいますよね。フリルやチュールをたっぷり装飾したカラードレスを着てみたいと希望する女性も多いです。お色直しでカラードレスを着る予定の人は、会場選びから、カラードレスに映える結婚式場を探すこともあるでしょう。

淡いピンクやブルー、イエローの他、華やかなレインボーカラーのドレスも人気。主役になれる特別な日だからこそ、結婚式に彩りを添えるカラードレス選びは大切です。

伝統的な和装

伝統的な和装は、ゲストを魅了させる凛とした美しさがあります。親族の希望から、和装を選ぶカップルも多いです。とくに高齢の方に受けが良いので、ゲストの年齢層が高い場合は和装を検討するのも良いでしょう。あらかじめ周りの意見を聞いておくと、なお良いです。

白無垢や赤、緑、金が美しい色打掛の他、近年は洋風のヘアスタイルに黒引き振袖や新和装を組み合わせる人もいます。

新郎の衣装は新婦に合わせる

新郎の衣装は、基本的に新婦の衣装に合わせます。新婦がドレスの場合、新郎の衣装はタキシードやモーニングコートを着ます。よく着用されるタキシードの他、ジャケットの丈が長いモーニングコートも人気です。

一方、新婦が和装の時は、新郎も五つ紋付羽織袴などを着用します。お互いの衣装の相性が大切なので、試着の際は、鏡の前にふたりで並び、確認してみましょう。

お色直しにかかる時間と回数

ドレス姿の美しい花嫁
派手婚が主流の頃は、お色直しの回数も多い傾向にあったよう。しかし、回数が多いといろいろな衣装を着用できる反面、ゲストを待たせてしまいます。お色直しの所要時間と、近年の回数に注目しましょう。

お色直しの所要時間の目安

お色直しは平均して洋装は20~30分、和装は30分以上かかります。披露宴は2時間から長くて3時間半。その中でタイムテーブルをよく考える必要があります。また、お色直しはゲストの休憩の意味合いも含まれます。披露宴が2時間半を超える場合は、お色直しの時間を組み込むと良い場合もあるでしょう。

お色直しは1回が主流

最近では、「お色直しは1回で十分」と考えるカップルが増えています。「ウエディングドレスの他に、カラードレスも着用したい」と希望する女性が1回を選ぶ傾向です。

バブル経済期の1980年代後半は、派手婚を挙げるカップルが増加。3回以上お色直しを行うのも特別な話ではありませんでした。その後、時代の流れは、徐々におもてなし婚へと変わっていきます。「お色直しの回数は少なくても良いから、来てくれた人達と一緒にいる時間を大切にしたい」といった考え方が定着したのです。

和装をするなら2回

「カラードレスの他に和装もしてみたい」という人は、お色直しを2回希望します。お色直しが2回になると、披露宴がさらに華やぎますね。とは言え、新郎新婦が席を外す時間も増えるので、招待した人達を飽きさせない工夫が必要。ムービーを流したり、中座の時間を短くしたりする方法もあるでしょう。

お色直しをしないカップルも

お色直しを希望する人がいる一方、「お色直しはしなくても良い」といったカップルも増えています。「費用を節約したい」、「招待した人達と過ごす時間を大切にしたい」、「ウエディングドレスだけで結婚式の日を過ごしたい」と、お色直しをしない派の意見はさまざまです。近年は、親族のみで最小限に行う結婚式が増えていることも理由の一つです。

ただし、家の習慣や土地柄によって、「お色直しは絶対にするもの」と考える場合も。その時は、両家が話し合って決める必要があります。

お色直しの順番

お色直しをする花嫁
お色直しの順番は、ウエディングドレスからカラードレス、白無垢から色打掛、ウエディングドレスから色打掛など、パターンはさまざまです。洋装へのお色直しと、和装へのお色直しの順番を、それぞれ確認しましょう。

洋装へのお色直しの場合

洋装へのお色直しは、席を離れる時間を短くできることがメリット。和装、洋装どちらも着用する時は、洋装から和装より、和装から洋装の順番の方が時間を短縮できます。例えば、最初に白無垢で入場し、その後、ウエディングドレスを着用する方法もあるでしょう。

また王道と言える、ウエディングドレスから、カラードレスへお色直しするパターンもおすすめです。

和装へのお色直しの場合

洋装から和装へのお色直しは、最初にウエディングドレスを着用し、次に色打掛や引き振袖、新和装を着るパターンが多いです。白無垢への衣装チェンジは、披露宴会場では華やかさがないので、あまり一般的とは言えません。和装から和装へお色直しをする場合は、白無垢を着用した後に色打掛や黒引き振袖、大振袖、新和装が選ばれます。

お色直しをスムーズに進めるポイント

花嫁のヘアアレンジ
お色直しの回数が多いと、中座の時間が増えるので、ゲストと会話したり写真が撮れなかったりすることも。一方、お色直しをスムーズに行えばゲストとの時間を共有できます。

お色直しの順番を工夫する

先に述べた通り、ウエディングドレスからカラードレスなど、洋装と洋装の組み合わせで衣装を替えると、中座の時間を短縮できます。また、和装と和装の組み合わせで衣装を替えると時間を効率良く使えるでしょう。色打掛は羽織を変えるだけで、簡単に衣装を替えられることから、白無垢の後に着用する新婦も多いです。

和装も洋装も着用するのであれば、挙式は和装にして、披露宴は洋装にするのがスムーズです。

披露宴会場と控室の距離が近い式場を選ぶ

ウエディングドレスや白無垢といった、着慣れない衣装での移動は大変です。とくに着替える回数が多い時は、披露宴会場と控室の距離は近いのが理想的。式場によって、披露宴会場と控室の距離があることも多いです。結婚式場を選ぶ段階から確認しておくとベストでしょう。

髪形は変えない、または時短できるアレンジを

中座の時間を短くするためには、髪形は変えないか、時間を短くできるヘアアレンジにしましょう。和装、洋装どちらでも似合う髪形にしたり、和装のかつらの下に、カーラーで髪を巻いておいたりと工夫が必要です。ベースの髪形を作り、ティアラや生花の髪飾りといったヘッドドレスを飾れば、簡単にイメージチェンジができます。

お色直しでふたりの結婚式を華やかに彩ろう

ゲストと歓談する新郎新婦
新郎新婦が主役になれる結婚式。ふたりの思い出に残る特別な一日は、お色直しで豪華な洋装や伝統的な和装を着用し、雰囲気を華やかに変えてみましょう。限られた時間で行うお色直しは、時間を短くする工夫をしてみると心に余裕が持てます。

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