結婚指輪や婚約指輪のサイズ直しの方法
サイズ直しには、素材を切断する方法や叩いて伸ばしたり圧縮したりする方法などがあり、指輪の素材やデザイン、刻印に応じて異なります。指輪のサイズ直しの方法を紹介します。
大きくする方法① 切断して素材を足す
指輪を切り開き素材を足してサイズを大きくする方法は、プラチナやゴールドなど溶接ができる素材に適しています。宝石が付いたデザインの場合、取り外したり断熱したりしながら行います。素材を足した後は指輪を磨いて綺麗に形を整えるため、継ぎ目が目立たず美しく仕上がります。
大きくする方法② 叩いて伸ばす
地金の一部や全体を叩き伸ばし、指輪のサイズを大きくする方法です。溶接が難しいチタンやジルコニウムなどの素材に使われ、デザインが変わる、刻印が潰れるといった可能性があります。サイズ直しできる範囲は1号程度に限られることが多く、指輪にはある程度の厚みが必要です。
大きくする方法③ 内側を削る
内側全体や一部を削る方法で、表面に細かい加工や装飾が施されている場合に用いられます。内側に刻印があるものは消える可能性があるため、サイズ直しをする前にもう一度刻印ができるのかをチェックすることが大切です。指輪が薄くなると強度が落ちてしまうので、ある程度の厚みがある指輪に適した方法です。
小さくする方法① 切断して部分的に切除する
指輪の一部を切除しサイズを小さくする方法で、溶接が可能なプラチナやゴールドで使われます。デザインが変わる、刻印がなくなる可能性もあるため、あらかじめ切除する部分にデザインが入っていないかなどを確認しておきましょう。
小さくする方法② 穴に叩き込んで圧縮する
すり鉢状の穴に指輪を叩き込み、均等に圧縮する方法です。切り離しや溶接ができない時や、内側の刻印を残したい場合に行われます。全体のボリュームが同じで、外側に細工がされていないデザインに向いていますが、大幅なサイズ変更はできません。
小さくする方法③ 内側にパーツを取り付ける
切断や溶接ができない複合素材やレアメタル製の指輪の内側に、パーツを付け足して小さくする方法。指輪に厚みがでて着け心地が変わったり、刻印が消えたりすることがあります。
結婚指輪のサイズ直しに必要な期間と費用
修理にかかる期間や費用も気になるところ。ここからはサイズ直しの具体的な期間や費用などを紹介します。
【サイズ直しの期間】2~3週間
指輪の修理にかかる期間は、依頼したショップや修理専門店、修理の方法、難易度などによって異なります。断定はできませんが、一般的には2~3週間ほどかかるため、身に着ける予定がある場合は、早めに修理を依頼すると良いでしょう。
また、クリスマス前などのショップの繁忙期や年末年始、GWといった休暇時期に依頼すると、さらに時間がかかることもあります。
【サイズ直しの費用】大きくするか小さくするかで変わる
指輪のサイズをどのように変更するかや、デザインによって金額が異なります。
サイズを大きくする場合は、直し方や使う素材によって金額が変わります。素材を足して直す場合、変更するサイズやデザインによって使う素材の量が変わるため、修理前に見積もりを出してもらうと安心でしょう。サイズを小さくする場合は、3,000円~が一般的です。
結婚指輪のサイズ直しができる場所
サイズ直しは購入店舗や修理専門店で依頼できます。購入店のアフターフォロー体制を確認した上で持ち込みましょう。
購入したジュエリーショップ
指輪のサイズを直すには、その指輪について詳しく知っている必要があります。そのため、まずは購入したショップに依頼するのがおすすめです。ショップによっては、アフターフォローとしてサイズ直しが無料の場合もあります。回数や期間が決まっていることもあるので事前に確認しましょう。
フェスタリアでは、結婚指輪や婚約指輪を購入すると永久保証サービスが付きます。購入店舗はもちろん、全国の系列店舗やオンラインショップでもサイズ直しや作り直しの相談が可能です。
指輪の修理専門店
修理専門店なら、幅広い素材やデザインに対応できる技術を持つ職人が在籍しています。そのため、他ではサイズ直しが困難と言われた指輪を修理してもらえる可能性も。ただし、アフターフォローではなく有料となります。
また、購入店以外でサイズ直しをした指輪は、ブランドのアフターフォローが受けられなくなることがあるので注意が必要です。指輪の構造によっては困難な可能性もあるため、あらかじめ確認しましょう。
結婚指輪のサイズ直しをする時の注意点
購入したブランドによっては、無料でサイズ直しを受けつけているところもあります。しかし、すべての指輪が直せるわけではありません。使われている素材やデザイン、製法によっては、直すのが難しい場合も。ここでは、サイズ直しを依頼する時に注意したい点を確認します。
【注意点①】サイズ直しができない素材・デザインがある
サイズ直しができない、またはできても±1号程度の素材やデザインがあります。
素材 |
デザイン |
・ピンクゴールド
・ステンレス
・チタン
・ジルコニウム
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・全周に宝石が留められた指輪(エタニティリング) ・取り外しが難しい宝石が留められた指輪
・異なる素材のコンビネーションリング
・全周に模様が施された指輪
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強度があり、融点が高い素材はサイズ直しが困難です。また、長文の刻印が入ったものや、ハワイアンジュエリーのように全周に模様が施されたものは、サイズ直し自体はできても刻印や模様が消えてしまう場合があります。
刻印は別途料金の可能性がありますが、打ち直しができるか確認してみてください。
デザインが崩れやすいミル打ちの指輪は、断られる可能性が高いでしょう。どうしてもサイズを直したい場合は、ジュエリーショップや修理店に相談してください。
【注意点②】サイズ直しの幅・回数に限界がある
サイズ直しをする場合、指輪を切り離す、研磨するといった工程が必要になるため、変更できるサイズにも限界があります。また、何度もサイズを直しているとダメージが蓄積し金属疲労による指輪の破損や、研磨の繰り返しによって素材が薄くなり、強度が弱まる可能性も。
素材を付け足すと強度を上げられますが、その分費用がかかります。素材の耐久性を考えると、何度もサイズ直しをするのは避けるのが無難です。
指のサイズは季節や体調によって変化するため、サイズが合わないのは一時的かもしれません。少し気になる程度であれば、急いでサイズ直しをするのではなく、少し様子を見ると良いでしょう。
【注意点➂】鍛造製法はサイズ直しが難しい場合もある
指輪の製法の1つに、金属を圧縮して密度を高くした鍛造製法があります。鍛造製法の結婚指輪は、丈夫で歪みにくく曲がりにくい、傷が付きにくいという利点を持ち、吸い付くような着け心地と滑らかさが魅力です。
その反面、圧縮によって素材が硬くなりサイズ直しが困難な時も。その場合は、指輪の交換になるかもしれないため、購入前にサイズ直しについて確認しておきましょう。
結婚指輪はサイズ直しで快適に身に着けよう
結婚指輪はふたりの思い出が詰まった大切なもの。サイズが合わない時はサイズ直しをし、快適な状態に戻しましょう。素材やデザインによってはサイズ直しが難しい場合もありますが、まずは購入店や修理専門店に確認するのがおすすめです。大切な結婚指輪を永く愛用するためにも、必要に応じてサイズ直しを検討してくださいね。