婚姻届受理証明書の概要
公的な書類である婚姻届受理証明書を使えば、さまざまな手続きが行えます。はじめに婚姻届受理証明書の概要や記載されている内容を詳しく解説します。
婚姻届受理証明書はふたりが夫婦であることを証明する書類
婚姻届受理証明書は、婚姻届を提出したふたりが正式に夫婦となったことを証明する公的な書類です。戸籍謄本で夫婦の証明はできますが、婚姻届を提出してから新しい戸籍ができるまでに数日、長い場合は数週間かかることも。新しい戸籍情報に更新されるまでの間は、婚姻届受理証明書で代用できます。
記載されている内容
婚姻届受理証明書は自治体によって書式が異なるものの、概ねA4サイズの用紙に文字のみが印刷されています。この書類には、以下のような項目が記載されています。
- 役所が婚姻届を受理したこと
- 婚姻年月日
- 夫の氏名
- 妻の氏名
- 本籍地
- 戸籍の筆頭者
- 証明書を発行した自治体名
婚姻届受理証明書のもらい方
婚姻届受理証明書の発行手続きは、意外と簡単です。さまざまな場面で使用するため、あらかじめ貰っておくとその後の手続きがスムーズに進みます。婚姻届受理証明書の取得方法について確認しましょう。
婚姻届を提出する
まずは婚姻届を提出します。婚姻届の必要事項を記入して、押印。旧姓の印鑑や本人確認書類など、提出に必要なものを準備して市町村の窓口に出します。本籍地と異なる自治体に提出する場合、戸籍謄本も必要なため注意してください。婚姻届は、休日でも夜間でも提出可能です。婚姻届の詳しい出し方については、こちらの記事が参考になります。
提出した窓口で申し出る
婚姻届受理証明書は、婚姻届を提出した自治体の窓口でのみもらえます。婚姻届が無事に受理されたら、口頭で婚姻届受理証明書が欲しいと伝えるだけで構いません。基本は即日発行してもらえるでしょう。ただし窓口が休みの日に婚姻届を提出した場合、その場では発行できません。
翌営業日に受け取りに行く場合は、事務処理が終わっていなこともあるため事前に自治体の窓口へ確認することをおすすめします。婚姻届受理証明書の発行には、1通350円の手数料が必要です。
既に婚姻届を提出している場合は提出した自治体に問い合わせる
婚姻届を提出した後日、婚姻届受理証明書を取得したい場合もあるかもしれません。後日発行の可否は、自治体によって異なります。もし可能な場合、期間は婚姻後1ヵ月以内のことが多いようです。ただし自治体によって、1年間は可能であったり、条件次第で5年以内は取得できたりなどさまざまです。もし婚姻届受理証明書が婚姻届提出の後日に欲しい時は、問い合わせをしてみましょう。
婚姻届受理証明書でできること・できないこと
婚姻届受理証明書を用いた手続きは、できることが決められています。ここでは、婚姻届受理証明書で可能な手続きと不可能な手続きを確認しましょう。
婚姻届受理証明書でできること①住民票の変更
結婚後に姓が変わる場合、その変更手続きには住民票が使われることが多いです。住民票は戸籍と紐づけられているため、戸籍が変わらないと住民票も変わりません。その場合でも婚姻届受理証明書を提示すれば、すぐに住民票の名義を新しい姓に書き換えてもらえます。
婚姻届受理証明書でできること②会社へ婚姻の届け出
結婚後、妻が夫の扶養家族となる場合には夫の会社に扶養家族の申請を行わなければなりません。会社によっては、婚姻後すぐに申請が必要なことも。その場合、婚姻届受理証明書が公文書として認められる会社もあるようです。扶養家族申請手続き以外にも、婚姻を届出ることで家賃補助の増額が見込めたり、休暇申請ができたりなど福利厚生面でメリットを得られる場合もあります。
婚姻届受理証明書でできること③海外挙式での夫婦の証明書
海外のチャペルで結婚式を挙げたい場合、通常はキリスト教徒であることが求められます。しかし、キリスト教信者でなくても「ブレッシングスタイル」の選択で、チャペルウエディングができることも。ブレッシングスタイルで挙式をするには、ふたりが法的に夫婦であることを証明しなければなりません。この時に、婚姻届受理証明書を証明書として利用できます。
婚姻届受理証明書でできないこと①免許証の変更
結婚で姓が変わり、免許証の名義を変更したい時には婚姻届受理証明書があっても記載事項の変更はできません。免許証の名義変更には、本籍地のある住民票が必要です。
婚姻届受理証明書でできないこと②銀行口座の名義変更
婚姻届受理証明書が使えない手続きには、銀行口座の名義変更も挙げられます。必要なのは、戸籍謄本もしくは名義変更済みの免許証です。他にも婚姻届受理証明書ではできない手続きもあるため、事前に確認しておくとスムーズでしょう。
婚姻届受理証明書は夫婦になった記念品としても人気
婚姻届は提出してしまえば手元に残りません。そこで、ふたりの結婚した証を記念に残すために、婚姻届受理証明書を取得するカップルもいます。最後に、結婚の記念品にもなる婚姻届受理証明書の保管方法や活用方法を紹介します。
記念に残すなら賞状タイプがおすすめ
基本の婚姻届受理証明書は一般的なA4サイズの書類ですが、上質紙に印刷してもらうことも可能です。まるで賞状のようなスタイルの用紙に印刷されるので、記念として残すのに適しています。発行手数料は1,400円と、通常のものより少し高いです。自治体によっては発行に時間がかかることもあるので確認が必要です。
ご当地ならではのデザインのものもある
婚姻届受理証明書には、上質紙以外にも地域それぞれの特性を生かしたデザインのものもあります。例えば、東京都国分寺市の婚姻届受理証明書は、台紙を広げると家の形になり、そのまま飾れるタイプ。長野県諏訪市の婚姻届受理証明書には、ご当地キャラクターの諏訪姫がデザインされています。また大阪府寝屋川市では、市の木である桜がふたりの門出を祝福しているようなデザインの婚姻届受理証明書を発行しています。自分の自治体ではどんな婚姻届受理証明書が発行できるのか、調べてみるのも良いでしょう。
結婚式や二次会の飾りつけとしても使える
婚姻届受理証明書はウェルカムボードにして結婚式の時に飾ったり、額縁に入れて二次会の時に飾ったり、お披露目したりもできます。結婚式や二次会後は、そのまま自宅に飾れるのも魅力です。
婚姻届受理証明書を取得して、使用後はふたりの思い出に
婚姻後のさまざまな手続きに必要な婚姻届受理証明書。使用する予定がある人は、取得を忘れないよう、やることリストに入れておくことをおすすめします。婚姻届受理証明書は手続きに使用できるほか、ふたりの結婚の記念にもなるため、思い出の品としてもらってみてはいかがでしょうか。