引っ越しをする時に必要な3種類の届出
引っ越しの際は、役所に3種類の届出が必要です。いずれも本人もしくは委任状を持った代理人が申請できます。主な持ち物は本人確認証・印鑑ですが、自治体によって異なるので、事前にホームページなどで確認してから向かいましょう。
転出届
現在と違う市区町村に引っ越す場合は、引っ越しの14日前〜当日までに、転出届を提出します。現住所の役所の窓口または郵送で受けつけています。
転入届
転出届を出した後、引っ越し後14日以内に、新住所の役所に転入届を提出します。
転居届
現在と同じ市区町村に引っ越す場合は、転出届ではなく転居届を提出します。基本的には引っ越し後14日以内が期限です。
結婚する時には婚姻届も必要
婚姻届は好きなタイミングで出して構いません。もし手続きを効率的に進めるなら、転入届・転居届(または転出届)と同時に提出するのがおすすめです。期間が空くと、各種サービスの住所と氏名の変更手続きを別々に行わなければいけなくなるためです。
婚姻届は、夫婦どちらかの本籍地または住所地にある役所で、365日24時間いつでも受けつけています。夫婦どちらかひとり、代理人による提出も可能です。
【必要な持ち物】
- 記入・署名捺印済みの婚姻届
- 本人確認書類
- ふたりの戸籍謄本(本籍地以外の役所に提出する場合のみ)
引っ越しをする時に必要な手続き
引っ越しの際には、役所への届出以外にも諸々の手続きが必要です。主な手続きを紹介します。
公共料金の手続き
水道・ガス・電気などを引っ越し先で使用するには、新たな契約が必要です。インターネットや電話でも受けつけています。
(賃貸の場合)現在の住居の解約手続き
現在、賃貸物件に住んでいる場合、賃貸契約書に記載された期日までに、管理会社や大家に所定の方法で解約の旨を伝える必要があります。
インターネットや固定電話の解約又は移転手続き
インターネット回線や固定電話を現在の住居に引いている場合は、引っ越しに合わせて解約や移転の手続きを行いましょう。期限は契約によって異なります。
郵便物の転送手続き
役所で転入・転居届を出しても、郵便局には共有されません。旧住所宛の郵便物を新住所に届けてほしい場合は、郵便局で別に転送手続きをしましょう。転送サービスは1年間利用できるので、申し込んでおくと便利です。
スムーズに手続きするには?結婚で引っ越しをする時の手順
やることが多くて大変な引っ越しですが、あらかじめ計画を立てておくとスムーズです。結婚を機に引っ越しをする場合の、おすすめの手順を紹介します。
引っ越し3ヵ月前:新居決めと退去手続き
引っ越しの2〜3ヵ月前までに新居を決めておくと、ある程度準備に余裕が生まれるでしょう。現在賃貸物件に住んでいる人は、契約内容を確認し、解約手続きも進めておいてください。
婚姻届を出すタイミングについても、時間に余裕のあるこのタイミングで、一度ふたりで話し合ってみるのが良いかもしれません。
引っ越し1ヵ月前:引っ越し準備開始
引っ越し業者に依頼する場合は、業者を探して見積もりを出してもらい、問題なれば契約へ移ります。同時に、不用品の処分なども徐々に始めていきましょう。特に、粗大ゴミの処分は回収の申し込みが必要なので要注意です。
またインターネット回線は、撤去工事や新設工事が必要なことがあるため、先に確認して申し込みましょう。
引っ越し1ヵ月〜2週間前:転出届とライフラインの手続き
他の市町村に引っ越す人は、作業でバタバタする前に転出届を提出しておきましょう。入居後すぐに水道・ガス・電気が使えるよう、新たな物件での開始手続きも忘れずに。必要に応じて、固定電話の工事の予約や、郵便局の転送サービスの申し込みも引っ越し前に済ませておくと効率的。
- 旧住所の役場に実印の印鑑登録がある人→印鑑登録の抹消
- 国民健康保険に加入している人→旧住所での国民健康保険の資格喪失手続き
- 車・バイクを持っている人→駐車場やナンバープレートの変更
引っ越し1週間前〜当日:引っ越し作業
引っ越しの1週間くらい前から、荷造りを開始します。そして引っ越し当日になったら、引っ越し業者の作業の確認をして新たな住まいへ移動、もしくは自分達で運搬します。
なお、ガスは業者による開栓作業の立会いが必要なので、引っ越し当日に荷解きをしながら立ち会えるように申し込んでおくとスムーズです。
引っ越し後2週間以内:引っ越し先での届出
引っ越しが完了したら、期限内に役所で転入届・転居届の提出を行いましょう。他にも、役所で行うべき手続きには以下のようなものがあります。同時に行うと効率的なので、必要なものがないか確認しておいてください。
- 婚姻届の提出
- マイナンバーカードの住所・氏名変更
- 国民年金の住所・氏名変更
- 国民健康保険の加入
- 印鑑登録
- 原付バイクの住所変更
綿密な計画を。結婚で引っ越しをする時の手続きなどの注意点
トラブルなく引っ越しを終えるには、届出などの期限を守り、しっかりタイミングを見計らうのが重要です。手続きや引っ越し作業に関する注意点を紹介します。
転入届・転居届の提出を忘れない
転入届・転居届の提出期限は、住民基本台帳法によって定められている義務です。仮に14日を過ぎても受けつけてもらえますが、正当な理由がない場合は罰則が課せられるおそれも。引っ越し作業で慌ただしい最中ですが、なるべく優先して行いましょう。
ふたりの入居日はずらした方が良い場合もある
新たな物件にふたりで住み始めるカップルは、それぞれの入居日をずらした方がスムーズな場合もあります。同日に引っ越し作業をすると、物件の前にお互いの引っ越しトラックが同時に着いてしまい、停車スペースがなくなったり、荷物の積み下ろしが混雑したりする可能性が考えられます。そうなれば、近隣に迷惑をかけてしまうかもしれません。
日にちをずらせば、先に引っ越した人から荷物の整理をしておけるので、荷解きもしやすいです。ふたりのスケジュールによって、日にちや時間帯については綿密に計画を立ててください。
苗字が変わった場合は氏名変更が必要になる
結婚で苗字が変わったら、各種サービスの住所変更だけでなく氏名の変更もします。婚姻届を転入届などと同じタイミングで出していれば、住所と氏名の変更が同時に行えるので手間取りません。引っ越し後に日が経ってから婚姻届を出す場合は、後日氏名の変更も忘れないようにしてください。
忘れずに!結婚で引っ越した後に必要な各種変更手続き
引っ越し後には、発行されている証明書などの変更届けや、会社への申し出、利用している各種サービスの登録変更手続きが必要です。主なものを紹介するので、当てはまるものがないか確認しておきましょう。
車・バイクの変更手続き
運転免許証の住所・氏名変更は、新住所の管轄の警察署または運転免許試験場で行えます。免許証と住民票の写し(本籍地も変更する場合は、本籍地記載のもの)が必要です。明確な期限は定められていませんが、なるべく早く変更しておくと思わぬトラブルを防げるでしょう。
車庫証明の取得は、引っ越し後15日以内に、新住所の管轄の警察署で行わなければなりません。申請には車の保管場所の所在図や、駐車場の保管場所使用承諾証明書などを用意しましょう。車庫証明が発行されたら、すぐに新住所の運輸支局で、車検証とナンバープレートの住所変更も行ってください。
パスポートの変更手続き
パスポートに関する手続きは、本籍地の管轄の旅券センター(パスポートセンター)で行います。住所変更のみなら手続き不要ですが、本籍地の都道府県が変わる場合と、氏名の変更は手続きが必要です。期限は定められていないものの、なるべく早めに済ませておくのがおすすめです。
会社関連の変更手続き
会社員の人は、勤め先にも住所・氏名の変更を伝えましょう。企業によって内容が異なるので、詳しくは担当部署に確認してください。主に行われる手続きは以下のようなものがあります。
- 健康保険・厚生年金の住所・氏名変更
- 給与振り込み口座の変更
- 名刺の作り直し
各種サービスの変更手続き
普段利用しているサービスの登録変更も忘れずに。主な例が以下です。
- クレジットカード
- 銀行口座
- 携帯電話
- 生命保険などの各種保険
- 通販サイト
結婚で引っ越しをする時の手続きは、早めに行うのが安心
引っ越しに関する届出や手続きには、期限が定められているものもあります。直前になってバタバタしたり、忘れてしまったりしないように、なるべく早めに計画を立てておきましょう。流れを把握した上で、婚姻届はいつ出すのが良いか、入居日はいつにするか、ふたりでベストなタイミングを相談してくださいね。