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ダイヤモンドについて

2023.09.09

ダイヤモンドの鑑定書(グレーディングレポート)とは?種類や見方・鑑別所との違いを紹介

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ダイヤモンドを鑑定した結果を記し、その品質を保証するのが鑑定書(グレーディングレポート)です。ダイヤモンドの評価基準となる4Cのグレードや、形状・サイズ・内包物について記載されます。鑑定機関によっては、独自の鑑定内容の結果が記されていることも。この記事では、鑑定書の内容や主な鑑定機関、鑑定書の項目の見方を紹介します。

ダイヤモンドの鑑定書とは?鑑別書との違い

ピンセットで掴まれたダイヤモンド
ダイヤモンドの品質を記したものが鑑定書、宝石の種類を証明するものが鑑別書です。まずは鑑定書とはどんな書類なのか、鑑別書との違いを紹介します。

ダイヤモンドの鑑定書とは?

鑑定書とは、ダイヤモンドの品質を鑑定(グレーディング)し、その結果を記した書類のことで、「グレーディングレポート」とも呼ばれています。ダイヤモンドの品質を決める4C(カラット・カラー・クラリティ・カット)の評価、形状・寸法といった情報が記載されています。

鑑別書との違いとは?

鑑定書の対象はダイヤモンドのみであるのに対し、鑑別書はすべての宝石に発行できます。内容は、品質の評価ではなく、宝石の種類・重量・寸法・カット・研磨以外の人工的な処理が施されていないか・天然か合成か模造かなどです。

ダイヤモンドの鑑定機関と鑑定書の特徴

“Wish upon a star®” ダイヤモンド
ダイヤモンドの鑑定機関は世界中にありますが、特に権威があるのはGIA・CGL・AGT・AGL加盟機関です。世界的にも権威のある鑑定機関と、それぞれの鑑定書の特徴を紹介します。

GIA(米国宝石学会):4Cを定めた教育機関

GIAとは、アメリカに拠点を置く国際的な宝石学の研究・教育機関です。ダイヤモンドの評価基準となっている4Cを定めた機関でもあります。
GIAが発行する鑑定書は、いくつか種類があります。例えば、4Cの評価やプロット図が記載された「GIAダイヤモンド グレーディング レポート」、ダイヤモンドの縁にあたるガードル部分にレポート番号が記載された「GIAダイヤモンド ドシエ」、これらの内容に原産地情報が追加された「GIAダイヤモンド オリジン レポート」などです。

CGL(中央宝石研究所):国内で高いシェアを誇る鑑定機関

CGLは、国内最大手の鑑定機関です。CGLの鑑定書はダイヤモンドの画像付きで、日本語と英語で表記されています。
CGLの鑑定書の特徴の一つは、ハート&キューピッドのプロポーションレポートを発行していること。ハート&キューピッドとは、ダイヤモンドの研磨の正確性を視覚的に評価する観点です。一定のプロポーションを満たした、対称性の高いダイヤモンドに特殊な照明を当てて撮影すると、クラウン側にキューピッドの矢のような模様、パビリオン側にハートのような模様が浮かぶことから名付けられました。

AGT(AGTジェムラボラトリー):国内で信頼の厚い鑑定機関

国内でCGLに並んで信頼を得ている鑑定機関がAGTです。GIA-G.G.(GIA宝石学修了証書)を取得した、熟練の鑑定師が評価を行っています。
AGTが発行する鑑定書も種類が複数あり、独自開発した撮影方法でダイヤモンドの内側の美しさを写した「華標(はなしるべ)」レポートや、ファンシーカラーダイヤモンドの鑑定をしているのが特徴です。

AGL加盟の鑑定機関

日本のダイヤモンド鑑定機関は「AGL(宝石鑑別団体協議会)」によって統括されており、上記で紹介したCGLとAGTもAGLに加盟しています。AGL加盟の鑑定機関では、「カラーグレードの判断にはAGL加盟機関共通のマスターストーンを使用する」「カットの評価には自動計測器を使う」など、正確な鑑定ができる取り組みを行っています。鑑定機関を選ぶ際は、「AGLに加盟しているかどうか」を基準にするのも良いかもしれません。

ダイヤモンドの鑑定書の見方①:4Cの意味

2つ並んだダイヤモンド
4Cとはダイヤモンドの品質を評価する4つの基準で、カット・カラット・カラー・クラリティのこと。鑑定書に記載されている内容なので、見方をチェックしておきましょう。

カット(Cut)

カットは、現在最もスタンダードなカットであるラウンドブリリアントカットのみに定められているグレードです。職人の手腕が問われる部分で、その技術力がダイヤモンドの輝きに影響します。形や仕上げを総合的に見て、以下の5段階で評価されます。
  • EXCELLENT(エクセレント)
  • VERY GOOD(ベリーグッド)
  • GOOD(グッド)
  • FAIR(フェアー)
  • POOR(プアー)

カラット(Weight)

カラットとは、ダイヤモンドの重量のこと。1カラットは0.2gと定義されていて、デジタル重量計を用いて1カラットの1000分の1まで測定されます。基本的にはカラットの数値が大きいほどサイズも大きくなりますが、ダイヤモンドの形状によって見え方は異なります。

カラー(Color)

カラーはダイヤモンドの色味についての評価項目です。ダイヤモンドはかすかに黄色みを帯びているものが多く、無色透明なほど価値が高いとされています。
カラーの評価は、アルファベットのDからZまでの23段階です。
 
  • D~F:無色
  • G~J:ほぼ無色
  • K~M:ごくわずかに黄みを感じる
  • N〜Z:薄い黄色〜黄色
婚約指輪のダイヤモンドとしては、D~Fカラーが人気です。

クラリティ(Clarity)

ダイヤモンドの透明度を表す項目を、クラリティといいます。内包物(インクルージョン)や表面の傷(ブレミッシュ)の有無・大きさなどによって評価され、それらが少ないほど透明度が高く希少性も高いです。評価は以下のように11段階で分類されています。
  • FL・IF:無傷・ほぼ無傷
  • VVS1・VVS2:非常にわずかな内包物がある
  • VS1・VS2:発見がやや困難な内包物がある
  • SI1・SI2:肉眼では発見困難な内包物がある
  • I1・I2・I3:肉眼でも発見可能な内包物がある

ダイヤモンドの鑑定書の見方②:4C以外の項目

ダイヤモンドを調べる鑑定士
鑑定書には、4C以外にもダイヤモンドに関するさまざまな情報が記載されています。

形状(Shape)

ダイヤモンドの形状が記載された項目です。最も人気なのが、上から見ると端正な丸型をしているラウンドシェイプです。その他はファンシーシェイプと呼ばれ、ペア(涙型)、オーバル(楕円)、プリンセス(四角)、ハートなどがあります。

寸法(Measurements)

寸法は、ダイヤモンドのガードル径や全体の深さについてです。1/100mm単位で計測されます。

プロポーション(Proportion)

ダイヤモンド全体の寸法を100%とした時に、各部の比率を%で表したものがプロポーション。面の角度も記載されています。

蛍光性(Fluorescence)

ダイヤモンドには紫外線が当たると蛍光を発するものがあり、色調や強さによって以下のように分類されます。
  • ノン:蛍光性無し
  • フェイント:弱い
  • ミディアム:中
  • ストロング:鮮やか
  • ベリーストロング:かなり鮮やか
品質には関係しない項目ですが、国によって好みが分かれ、価格に影響することもあります。

プロット(Plot)

プロットは、クラリティの内包物を図で表したものです。鑑定書によっては省略されている場合もあります。

GIAに認められた “Wish upon a star®” ダイヤモンド

鑑定書とダイヤモンド
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鑑定書でダイヤモンドの品質をチェックしよう

ピンセットで掴まれたダイヤモンド
鑑定書には、ダイヤモンドをさまざまな角度から評価した結果が記されています。4Cはどの鑑定機関の鑑定書にも含まれるため、見方を覚えておくとダイヤモンド選びの参考になるでしょう。気になるダイヤモンドを見つけたら、ぜひ鑑定書の内容も確認してみてください。

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