結婚指輪や婚約指輪を左手薬指に着けるのはなぜ?意味や由来を紹介
一般的に、結婚指輪を着ける指といえば誰もが左手の薬指をイメージしますよね。ですが、そもそもなぜ結婚指輪は左の薬指に着けるのでしょう。その由来や意味をきちんと答えらえられる人は、案外少ないのかもしれません。他にも、「婚約指輪も同じでいいのかしら?」「指以外の場所につけたらダメ?」などの疑問をお持ちの方も多いかもしれません。ここでは、婚約指輪や結婚指輪をつける指の由来や、他の指が持つ意味などをご紹介します。
結婚指輪を左手の薬指に着けるようになった由来とは
まずは、結婚指輪の風習が始まったきっかけや、左手の薬指に着けるようになった由来をご紹介します。
婚約指輪の始まりは古代ローマ時代
婚約の証を互いに贈り合う風習は、紀元前3世紀頃、古代ローマの時代には存在していたと言われています。そのとき、婚約の証に用いられたのは鉄の輪でした。指輪が登場するのは2世紀頃。当時は、金の指輪がよく用いられたのだそうです。
結婚式とともに結婚指輪の風習が始まった
結婚指輪を男女で交換するようになった由来は、9世紀にまでさかのぼります。当時のローマ教皇であったニコラウス1世が結婚式のときに、花婿に鉄の指輪、花嫁に金の指輪を交換したことをきっかけに、結婚指輪の風習が始まったと言われています。
その後、11世紀にM・ミュールが記した「ローマの婚約指輪の起源」の中に、「花婿は花嫁に金の指輪を、花嫁は花婿に鉄の指輪を渡し交換している」という記述が残っており、この頃には一般にも結婚指輪の風習が浸透していることが分かります。
当時から、切れ目のない形をした丸い指輪が「永遠に途切れることのない愛情」を意味するものとして大切にされていたようです。
結婚指輪を左手薬指に着けるようになった理由
指輪が左手の薬指に着けられるようになった由来には諸説あるものの、西洋では太古の昔から、女性の体内では心臓から左手の薬指にかけて一本の血管がまっすぐに走っていると信じられてきました。古代ギリシャでは心臓の中に感情の中心が存在するとされ、これが愛情に結びつくことから、左手薬指に結婚指輪をつける習慣が生まれたと言われています。
婚約指輪は、結婚式当日は右手指に。その後は結婚指輪に重ねて
明確な決まりはないものの、婚約指輪を着ける指は、結婚指輪と同じ左手の薬指がポピュラーです。ただ、結婚式当日は結婚指輪を着けるため、左手の薬指を空けておかなくてはいけません。婚約指輪は右手の薬指に着けておきましょう。
また、結婚式を終えてからは婚約指輪を大切にしまっておく方も多いかもしれませんが、ぜひ結婚指輪とともに婚約指輪も身に着けましょう。最近では、婚約指輪と結婚指輪のセットリングも充実しており、結婚指輪と婚約指輪の重ね着けを楽しむ方も増えています。
正式な着け方の順番は、結婚指輪の上に婚約指輪を重ねます。これには、永遠の愛の証である結婚指輪を婚約指輪でしっかりロックするというステキな意味も込められています。これから婚約指輪を選ぶ方は、ぜひセットリングも候補のひとつに加えてみてはいかがでしょう。
指輪をどの指につけるかで意味が変わる?
ここまで結婚指輪や婚約指輪の由来についてご紹介してきましたが、実は、指輪を着ける指によって意味が変わることをご存知でしょうか。また、同じ指であっても、右手か左手かによっても意味が変わってきます。それらの意味や、指に宿る守護神についてご紹介していきましょう。
親指(サムリング):望みを叶える
親指の守護神は、美の女神ビーナスと、ギリシャ神話の英雄ヘラクレス。古代ローマには、「親指(thum:サム)に指輪を着けるとどんな望みも叶う」という言い伝えがありました。もともとは、戦いで弓を引く際に親指を守るために指輪を着けるという意味もあったそうです。
・右手の親指
右手の親指は「指導者の指」という別名を持ちます。勇気やリーダーとしての力をもたらし、行動力を発揮したいときに効果的です。
・左手の親指
目標を実現させる力を持つと言われ、困難に立ち向かい、信念を貫くパワーをもたらす指です。
人差し指(インデックスリング):行動力や自立心を高める
人差し指の守護神は、ローマ神話の主神であるユピテル。「指針」「指標」などを意味するインデックス(index)の名が示すように、自立心を高め、行動力を高めてくれます。
・右手の人さし指
集中力を高め、行動力をアップする効果があります。
・左手の人差し指
積極性を高め、目標に向かって前向きに進む力をもたらします。一方、恋愛面では「自分のことを見つめてほしい」という願いや、それを叶えるためのパワーを身につけることができると言われています。
中指(ミドルフィンガーリング):ひらめきや直感の象徴
5本指の中央に位置する中指は、インスピレーションやひらめきの象徴と言われており、守護神はローマ神話の農耕の神であるサトゥルヌス。クリエイティビティを発揮したいときにおすすめの位置です。
・右手の中指
直感を高めて良い運気を呼び込む効果があります。「邪気を払う」という意味もあるため、開運を求める方にもピッタリ。
・左手の中指
人間関係をスムーズにする協調性を高めたいなら、協調性を高めてくれる左手の中指に指輪を着けましょう。この指には、周りの人間関係の変化を察知し、協調性を高めてくれる効果があります。
薬指(アニバーサリーリング):創造性の象徴
薬指は、創造性を象徴すると言われており、守護神は太陽神にして、芸術や音楽、医学を司るアポロン。古来から左手の薬指は心臓と直結する神聖な存在と考えられていたように、何かの記念となる大切な指輪を着ける指と言えます。
・右手の薬指
この指に指輪を着けると、心の安定をもたらし、恋が成就すると言われています。同時に、リラックスすることでインスピレーションを高めてくれる効果も。
・左手の薬指
結婚指輪に限らず、互いの絆を深めて深い愛情を感じたいなら左手の薬指に指輪を着けてもOKです。
小指(ピンキーリング):チャンスを呼び込む
商業の神であるメルクリウスを守護神に持つ小指は、変化やチャンスの象徴と言われています。もちろん、恋愛面においても恋のチャンスを呼び寄せてくれることでしょう。
・右手の小指
自分らしい魅力をアップさせたいなら、右手の小指に指輪を着けて。あなたの魅力を高め、守ってくれるでしょう。
・左手の小指
変化やチャンスの象徴となる左手の小指。変化を望むときや、ツキを呼び込みたいときにオススメです。特に、恋愛面におけるパワーが強いとされており、恋のチャンスwを求める方や恋人との愛情を深めたい方にはピッタリ。
結婚指輪を左手の薬指以外に着けることはある?
職業上の都合など、さまざまな理由で左手の薬指に結婚指輪を着けられないこともありますよね。そんなときには、どうやって身に着けるのがベストなのでしょう。
国や地域によってはこんな例外も
万国共通で「結婚指輪は左手に着ける」というのが常識になっている現代でも、別の指に結婚指輪を着けるところもあります。たとえば、北欧やドイツ、オーストラリアなど一部の国では結婚指輪を右手の薬指に着けることも。
一方、インドや東南アジアでは足の指に着けるところもあります。ヒンドゥー教の結婚式では、花婿が花嫁の両足の人差し指にトゥリングを着ける儀式があります。
ヒンドゥー教に伝わる神話には、魔王につかまったシーター女神が、夫のラーマ神に見つけてもらえるよう、身に着けていたトゥリングを目印として落としたという言い伝えもあり、足の指にシルバーリングを着けることで体内のエネルギーによいめぐりをもたらすとされています。
さらに、インドのある地域では、花婿から花嫁に贈られる「マンガルスートラ」というネックレスのほうを、既婚者の証として大切にする習慣があります。
このように、国や地域が変われば結婚指輪を着ける場所にも違いがあるようです。
慣習にとらわれず、自分らしい着け方で大切にすればOK
結婚指輪を着けられない場合にオススメなのは、チェーンに通してネックレスとして身に着ける方法です。もしくは、二人の記念日や冠婚葬祭の場では夫婦で揃ってつけるようになど、結婚指輪を大切に思う気持ちを大切にしていれば、着け方にこだわらなくても良いのではないでしょうか。
左手の薬指に着ける婚約指輪や結婚指輪は、二人の大切な愛の証
結婚指輪の由来が古代ローマであることや、心臓に直結する神聖な指ということから左手の薬指に結婚指輪が着けられるようになったことなど、結婚指輪にまつわるトリビアには、とても興味深いものがあります。機会があれば、彼とそんな話をしてみるのも楽しいかもしれませんね。生涯身に着けるものだからこそ、自分たちに合った婚約指輪や結婚指輪をじっくり探してくださいね。